慢性腰痛に対しては、歩行などの運動やマインドフルネスなどの精神心理的な介入が有効であることが明らかになっています(こちら)
しかし、歩行とマインドボディセラピー(MBT:太極拳、ヨガ、マインドフルネスなど)のどちらが有効かについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「慢性腰痛に対して歩行とMBTはどちらが有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にベルギーのNduwimanaらの研究チームは、2018年12月までに登録されている31本の論文を解析しています。
結果として、
歩行は短期的には疼痛および活動制限に対して効果はなく、中期的には疼痛(SMD=-0.34)および活動制限(SMD=-0.3)に効果が認められた。
ヨガは、短期的には疼痛(SMD=-1.47)および活動制限(SMD=-1.17)に対して効果が認められ、中期的には活動制限(SMD=-1.14)のみ効果が認められた。
太極拳は、短期的には疼痛に対して効果はなく、中期的な効果は調査されていなかった。
瞑想は、短期的には活動制限(SMD=-0.22)にのみ効果が認められ、中期的な効果は調査されていなかった。
気功は、短期、中期ともに効果は認められなかった。
だそうです。
この結果を見ますと、短期的にはヨガが、中期的には痛みには歩行、活動制限にはヨガが良さそうですね。
いずれにしても、慢性腰痛患者では導入から習慣化までが大変なので、色々と工夫しなければいけないと思います。