たんぱく質は筋肉や免疫機能など、人体を守るために重要な栄養素ですが、たんぱく質摂取量は年々増加していることが報告されています(こちら)。
たんぱく質摂取量が増えることは良いことばかりでなく、心血管疾患などのリスクを増加させる可能性が考えられていますが、明確な結論はまだ得られていません。
今回紹介する論文は「たんぱく質摂取量は死亡率に影響するの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にイランのNaghshiらの研究チームは、2019年12月までに登録されている32本の論文を解析しています。
結果として、
全ての死因に対して、総たんぱく質摂取量(効果サイズ(ES)=0.94)と食物性たんぱく質摂取量(ES=0.92)はリスク低減効果を認めた。
心血管疾患の死亡率に対しては、食物性たんぱく質摂取量(ES=0.88)のみがリスク低減効果を認めた。
ガンの死亡率に対しては、リスク低減効果は認められなかった。
だそうです。
ただし、調整できていない交絡因子が多く存在する可能性があるため、さらなる研究が必要だそうです。
たんぱく質は、サルコペニアやフレイルが広まってきたことでその重要性が一般市民の間でも広まってきています。
今回の結果から、食物性のたんぱく質でたんぱく質を補給することが、死亡リスクを下げる上で大切かもしれません。