COPD患者が急性増悪して入院した場合の対処方法について、これまでは薬物療法が主として考えられてきており、肺理学療法や呼吸リハの有効性はあまり認められていませんでした(こちら)。
ですが、ここ数年は非薬物療法の有効性が見直されてきており、知見が蓄積されてきています。
今回紹介する論文は「COPD急性増悪に非薬物療法は有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2020年にオーストラリアのDoblerらの研究チームは、2019年1月までに登録された30本の論文を解析しています。
結果として、
気道クリアランス手技は、再入院を減少させた。
レジスタンストレーニングは、QOL、呼吸困難感、6分間歩行距離を改善させた。
有酸素運動は、呼吸困難感、QOL、1日の歩数、30秒椅子立ち上がりテストが改善した。
呼吸手技とROM運動の組み合わせは、QOLを改善させた。
多面的呼吸リハプログラムは、6分間歩行距離、呼吸困難感を改善させた。
全身振動は、QOL、6分間歩行距離を改善させた。
経皮的神経筋電気刺激(TENS)は、6分間歩行距離を改善させた。
酸素療法は、死亡率を減少させた。
ビタミンDサプリメントは、QOLを改善させた。
だそうです。
ただし、研究数が少ないため、さらなる研究が必要だそうです。
普段行われているようなリハプログラムが、急性増悪したCOPD患者にも有効というのは重要なことだと思います。
もちろん、きちんと評価した上で、それぞれの患者さんに合ったプログラムを検討する必要はあると思いますが。