キネシオテーピングは脳卒中患者の麻痺側の肩関節痛の軽減や関節可動域の改善に有効であることが報告されています(こちら)。
しかし、脳卒中以外の肩関節障害に対しての有効性については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「肩関節障害にキネシオテーピングは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にトルコのCelikらの研究チームは2020年2月までに登録されている14本の論文を解析しています。
結果として、
キネシオテーピングと偽キネシオテーピングとの比較では、痛み、関節可動域、機能に関して効果に差は認められなかった。
キネシオテーピング+運動と運動のみの比較では、痛み、機能に関して効果に差は認められなかった。
キネシオテーピングと受動的な治療(TENS、ホットパック、超音波)との比較では、痛み、関節可動域、機能に関して効果に差は認められなかった。
だそうです。
ただし、RCT論文が少なく、介入内容にバラつきがあったため、さらなる研究が必要だそうです。
肩関節障害に対するキネシオテーピングは、あまり効果が望めなさそうですね。
キネシオテーピングはお金もかかりますし、皮膚が弱い方には使えないので、適応をよく検討して用いることが大切だと思います。