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歩行の非対称性を改善するのに有効な介入は?

脳血管障害の後遺症、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの慢性神経疾患(CNC)では、歩行時に非対称パターンが出現し、歩行コストが増加することが報告されています(こちら
歩行の非対称性を改善させるために様々な介入が試みられてますが、介入の有効性については明確な結果は出ていませんでした。
今回紹介する論文は「歩行の非対称性を改善するのに有効な介入は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2020年にカナダのFarrellらの研究チームは、2019年10月までに登録されている9本の論文を解析しています。
結果として、
レジスタンストレーニングを行った調査では、1件で歩行の対称率、1件で片脚支持時間の対称性、1件で歩幅の対称性、3件で荷重の対称性改善を示した。
有酸素運動を行った調査では、2件で歩幅の対称性改善を示した。
レジスタンストレーニングと有酸素運動の組み合わせを行った調査では、1件で歩行の対称率改善を示した。
歩行の対称性と身体機能との関連性は、1件で歩行の非対称性歩行速度逆相関を認めたが、立脚時間の非対称性と歩行速度は関連していなかった。
だそうです。
ただし、今回の調査で含まれた対象者に偏りがあり、調査方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

今回は歩行の対称性が改善するかどうかと対称性が身体機能と関連しているかどうかの調査でしたが、歩行の非対称性による歩行コストの増加や見た目の問題などから、生活範囲を狭めてしまうこともあるかと思います。
生活範囲の狭小化はフレイルなど社会的な問題につながる可能性があるので、今後は歩行の対称性と社会活動との関連性も知りたいところですね。

 

この記事のライター
宇野勲先生