COPD患者にテレヘルス技術を用いた運動療法は有効なの?

呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を行うことは、COPD患者の身体機能やQOLを高めるために重要な要素ですが、呼吸リハを行っているCOPD患者は約3%、修了した患者は約30%と言われています(こちら)。
COVID-19でさらに呼吸リハを受ける機会が減少することが予想される中で、ビデオ会議システムやスマホのアプリなどのテレヘルス技術を用いた運動療法(ATT-ET)が有効な可能性がありますが、その有効性についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COPD患者にテレヘルス技術を用いた運動療法は有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年にフランスのBonnevieらの研究チームは、2020年5月までに登録されている15本の論文を解析しています。
結果として、
ATT-ETと運動療法なしと比較した時、
運動耐容能生活の質、呼吸困難感、不安・抑うつ、自己効力感は効果が認められたが、ごくわずか~中等度とバラつきが認められた。
健康状態、身体活動量、入院リスク、死亡率、離脱率の効果にバラつきがあり、有益性は明らかにならなかった。
ATT-ETと入院または外来運動療法と比較した時、
生活の質、身体活動量、不安・抑うつは効果が認められたが、ごくわずか~中等度とバラつきが認められた。
運動耐容能、呼吸困難感、健康状態、離脱率、有害事象は効果にバラつきがあり、有益性は明らかにならなかった。
ATT-ETと運動療法単独と比較した時、
運動耐容能、生活の質、呼吸困難感、費用対効果、健康状態、身体活動量、増悪リスクは効果が認められたが、ごくわずか~顕著な効果とバラつきが認められた。
不安・抑うつ、自己効力感、入院率は効果にバラつきがあり、有益性は明らかにならなかった。
だそうです。
ただし、研究数が少なく、調査方法にバラつきがあったため、さらなる研究が必要だそうです。

 

ATT-ETの効果はまだ明らかになっていない部分が多いですが、現時点ではアウトカムの一部で有益性があるようですね。
ただ、デバイスの普及の問題がありますので、環境の整備も必要になってくると思います。

 

この記事のライター
宇野勲先生