脳卒中や外傷性脳損傷患者では睡眠障害は比較的良くみられる合併症で、その割合は37.5%と報告されています。
睡眠障害には様々な治療法が報告されていますが、それぞれの有効性についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「脳卒中や外傷性脳損傷後の睡眠障害には何が有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です。
2020年にイギリスのLoweらの研究チームは、2020年3月までに登録されている23本の論文を解析しています。
結果として、
認知行動療法では、通常治療と比較して睡眠障害と疲労感が改善した。
光療法は、通常治療と比較して疲労感と日中の眠気が改善したが、睡眠障害への効果は明らかにならなかった。
運動療法では、太極拳や指導付きの運動プログラム、指導なし運動プログラムを調査した研究が含まれていたが、睡眠障害への効果は明らかにならなかった。
鍼治療は、偽治療と比較して睡眠障害や不眠症が改善した。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
運動療法は、現時点で効果が不明というのは少し残念でしたが、認知行動療法はリハ職の得意分野だと思いますので、非薬物療法の一つとして積極的に活用していきたいですね。