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加齢性食欲不振に栄養補助食品は有効なの?

高齢者では、加齢とともに食欲は減少し、栄養不良の原因になります(こちら
加齢性食欲不振は、地域在住高齢者では15~30%、施設や病院の高齢者では31~31.5%存在すると言われています(こちら
加齢性食欲不振には経口栄養補助食品(ONS)の有効性が考えられていますが、まだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「加齢性食欲不振に栄養補助食品は有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら

 

2021年に中国のLiらの研究チームは、2020年10月までに登録されている17本の論文を解析しています。
結果として、
食欲全般に対しては、ONSは有効だった。
空腹感に対しては、ONSの効果は認められなかった。
満腹感に対しては、ONSの効果は認められなかった。
食べたい欲求に対しては、ONSの効果は認められなかった。
どのくらい食べられるかという感覚に対しては、ONSは有効だった。
食べ物のことをどのくらい考えているかという感覚に対しては、ONSは有効だった。
エネルギー、たんぱく質、脂質の摂取量に対しては、ONSは有効だったが、炭水化物摂取量には効果が認められなかった。
体重に対しては、ONSは有効だった。
だそうです。
ただし、評価方法にバラつきがあり、介入方法にもバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

最近はONSの種類も増え、安価で手軽に手に入るようになってきているので、食欲が低下し栄養不良リスクが高い高齢者には、ONSの使用を検討しても良いかもしれません。

 

この記事のライター
宇野勲先生