サルコペニア、フレイルの治療と予防に対する筋力トレーニングの効果は?

高齢化とともにサルコペニアとフレイルは増加しており、経済的負担が増加するため、社会的な課題になっています(こちら)。
サルコペニアやフレイルには筋力トレーニングが推奨されていますが、初期(予防)と後期(治療)と分けた効果についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「サルコペニア、フレイルの治療と予防に対する筋力トレーニングの効果は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年にポーランドのTalarらの研究チームは、2020年12月までに登録されている25本の論文を解析しています。
結果として、
筋力では、握力(ES=0.51)、下肢筋力(ES=0.93)で筋トレの効果が認められたが、それぞれ中等度以上の不均一性が認められた。
予防段階でも握力(ES=0.12)、下肢筋力(ES=0.35)に効果が認められた。
身体機能では、TUG(ES=0.78)、バランス(ES=0.68)、歩行速度(ES=0.75)、機能的強度(ES=0.76)で筋トレの効果が認められたが、機能的強度以外では不均一性が高かった。
予防段階では歩行速度(ES=0.63)、機能的強度(ES=0.53)で筋トレの効果が認められた
体組成では、脂肪量(ES=0.41)、筋肉量(ES=0.29)で筋トレの効果が認められたが、筋肉量では中等度の不均一性が認められた。
予防段階では筋トレの効果が認められなかった。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあり、不均一性が中等度から高度で認められたため、さらなる研究が必要だそうです。

 

筋力トレは、サルコペニアやフレイル状態になってしまっても、その予防段階でも有効ということですね。
ただ、高齢者への筋力トレーニングは負荷量の設定が難しいことが少なくないので、適切な運動負荷が加えられるような工夫が必要だと思います。

 

この記事のライター
宇野勲先生