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施設入所高齢者の座位時間の特徴は?

高齢者では身体活動量が健康状態に影響を与えていることが知られており、座位時間が長いと死亡リスクが高くなることも報告されています(こちら)。
施設入所高齢者を対象としたデータでは、1日の79%を座位で過ごしており、活動量が少ないとADL能力が低いことが報告されています(こちら)。
しかし、施設入所高齢者の座位時間に関して、施設形態での違いや座位時間の中身については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「施設入所高齢者の座位時間の特徴は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年に中国のLeungらの研究チームは、2020年10月までに登録されている18本の論文を解析しています。
結果として、
施設形態では、1日の座位時間は、中等度~混合介護施設で7.6~12.8時間、高度介護施設では9.6~12.7時間だった。
1日の平均歩数は、中等度~混合介護施設で4556歩、高度介護施設で729歩だった。
座位時間の中身は、頻度が多い順に、中等度~混合介護施設ではテレビ視聴(2.5~2.9時間)、コンピュータの使用(1.2~2.4時間)、読書(1.5~1.9時間)、友人との会話(1.4~1.8時間)、高度介護施設では昼寝(4.7時間)、何もしない(2.1時間)、テレビを見る(0.4時間)だった。
性差では、中等度~混合介護施設で男性の方が女性よりも0.7時間多く座っており、高度介護施設では男女差はなかった。
だそうです。
ただし、調査されている施設形態や測定方法にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

座位時間を減らすことは、身体機能だけでなく、社会性や精神心理面においても有効である可能性が、様々な調査で報告されています。
座位行動の特徴を知ることで、活動量を増やすための介入のヒントになるのではないかと思います。

 

 

この記事のライター
宇野勲先生