心血管疾患は、フレイル状態の高齢者で有病率が高くなっています(こちら)。
特に、急性冠症候群を発症した高齢者では、フレイル状態は死亡リスクの増加と関連していることが報告されています(こちら)。
しかし、フレイルと虚血性心疾患(IHD)との関連性についてはまだ明確になっていませんでした。
今回紹介する論文は「フレイルと虚血性心疾患の関連性は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2021年にイタリアのLiperotiらの研究チームは、2020年1月までに登録されている37本の論文を解析しています。
結果として、
IHD患者のフレイル有病率は19%であり、推定値の範囲は4~62%だった。
フレイル高齢者のIHD有病率は17%であり、推定値の範囲は3~42%だった。
縦断研究では、IHDのリスクがあるとフレイル発症およびフレイル進行リスクが有意に高い。
また、フレイル、プレフレイルともに、IHDイベントリスクが有意に高い。
だそうです。
ただし、研究間でフレイルやIHDの定義や研究対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
フレイルはIHDだけでなく、他の心血管疾患との関連性も深いことが明らかになっているので、フレイルの評価を行い介入することは、心血管疾患イベント予防にもつながるかもしれません。