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COVID-19感染拡大期の一般市民の体重の変化はどうなっているの?

COVID-19の感染拡大によって、外出の自粛が強いられるようになり、人々の活動を大幅に減少しています。
その中で、活動量が低下することによる身体機能面の問題以外にも、食欲不振過食といった栄養面の問題も生じています(こちら)。
食欲不振や過食は、いずれも健康状態に悪影響を与える因子ですが、COVID-19による外出自粛中の体重の変化についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COVID-19感染拡大期の一般市民の体重の変化はどうなっているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年にギリシャのBakaloudiらの研究チームは、2020年12月までに登録されている36本の論文を解析しています。
結果として、
全体(16歳以上)では、ほとんどの調査で体重増加を示した人の方が多く、調査によってバラつきはあるが、体重増加を認めた割合は12.8~72.4%だった。
一方、体重減少を認めた参加者の割合は18.6~21.7%で、体重減少の方が多かった調査は、参加者が60歳以上と高齢だった。
成人のみに対象を絞った場合でも、ロックダウン後に体重増加を認めた。
体重別で層別化したサブグループ解析では、全てのグループで体重増加を認めた。
だそうです。
ただし、対象者の特性にバラつきはあり、研究数がまだ少ないため、さらなる研究が必要だそうです。

 

一般成人では、COVID-19感染拡大中の外出制限で体重は増加するようですね。
ストレスによる過食や外出が制限されたことによる悪い食事習慣への変化、活動量減少による消費エネルギー量の減少など、体重増加の原因は様々だと思います。
肥満や糖尿病はCOVID-19の重症化リスク因子でもあるので、体重コントロールが大切になりますね。
また、高齢者を対象とした調査では体重減少者の割合が高いので、高齢者では外出制限による低栄養にも注意が必要かもしれません。

 

 

この記事のライター
宇野勲先生