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COVID-19患者の治療後の後遺症はどうなっているの?【その1】

COVID-19は全世界で感染が拡大していますが、感染者の約20%はICUに入る程の重症化することが報告されています(こちら)。
ICUに入る程の重症患者では、入院期間中に加え退院後にも身体機能、認知機能、精神心理機能が低下する危険性が高くなります(こちら)。
COVID-19感染者でも、治療後の身体機能や呼吸機能などの低下が持続する可能性が考えられますが、退院後の経過については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COVID-19患者の治療後の後遺症はどうなっているの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

2021年にカナダのSanchez-Ramirezらの研究チームは、2021年5月までに登録されていた24本の論文を解析しています。
結果として、
全体の追跡調査期間は3~6か月だった。
胸部CT画像については、59%異常所見を認めた。
呼吸機能については、39%に異常を認めた。機能別では、拡散能の低下31%拘束性換気障害12%閉塞性換気障害8%に認められた。
自覚症状については、疲労感38%呼吸困難感32%胸部痛圧迫感16%13%12%喉の痛み4%に認められた。
身体機能については、36%の患者で低下していた。
健康関連QOLについては、52%の患者で低下していた。
仕事復帰については、80%の患者が仕事復帰していましたが、ICU入室患者では復職率は46.7%で、入院が必要だった患者の58.3%で労働に何かしらの障害があった。
だそうです。
ただし、研究対象者の背景についてのデータが不十分であり、調査方法の不均一性があるため、さらなる研究が必要だそうです。

 

COVID-19の感染から回復した人では、呼吸や身体機能など様々な後遺症が残るようですね。
感染が落ち着いてからは、後遺症に対するCOVID-19から回復した方に対するリハビリテーションの必要性が高まるかもしれません。

 

 

 

 

この記事のライター
宇野勲先生