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TKA術前の運動療法は効果があるの?

はじめに

人工膝関節置換術(TKA)は、保存的治療でも改善しない重度の変形性膝関節症(膝OA)に対しての標準的治療とされています[1]。
また、TKA術後には運動療法が推奨されており、有効性が認められています[2]。
TKA術前の運動療法についても有効である可能性が検討されていますが、その有効性はまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「TKA術前の運動療法は効果があるの?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。

 

研究概要

2021年に中国のWangらの研究チームは、2021年1月までに登録されている12本の論文を解析しています。

対象者数:889人
介入期間:3~12週間
介入内容:筋力トレーニング、バランストレーニング、有酸素運動、柔軟運動、複合運動、

結果

効果あり 効果なし
 

大腿四頭筋筋力

WOMAC

TUG

SF-36

 

膝関節可動域

 

 

ただし、研究参加者数はまだ少ないため、さらなる研究が必要と述べられています。

まとめ

今回の調査結果では、膝OA患者さんでは、TKA手術前に運動療法を行った方が、術後の経過も良さそうです。
もうすでに取り組んでいる施設はあると思いますが、膝OA患者さんが手術適応と判断されても、手術までの期間で運動介入を行える仕組み作りが必要かもしれません。

 

参考文献

[1] 津村 弘 他. 日本内科学会雑誌 (0021-5384)106巻1号 Page75-83(2017.01).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/1/106_75/_article/-char/ja/

[2] 木藤 伸宏 他. 理学療法学 (0289-3770)43巻2号 Page204-209(2016.04).
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/43/2/43_43-2kikaku_Kito_Nobuhiro/_article/-char/ja/

[3] Dun Wang, et al. Ann Palliat Med. 2021 Oct;10(10):10986-10996.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34763461/

 

この記事のライター
宇野勲先生