身体活動(PA)を増やすことは健康寿命の延伸に重要な要素です。
PAへの介入の一つに歩数計を用いた介入があり、歩数計を用いた介入は心血管代謝系に問題を抱えている人のPAを増やすことが報告されています(こちら)
呼吸リハビリテーションでもPAを増やすことが健康状態の維持に有効であることが報告されていますが、歩数計を用いたPAへの介入効果については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COPD患者に対する歩数計を用いた介入は身体活動を増やすの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にイギリスのArmstrongらの研究チームは、2019年1月までに登録されている17本の論文を解析しています。
結果として、
歩数計を用いた身体活動の促進は、単独(SMD=0.53)および呼吸リハと併用(SMD=0.51)どちらでも、効果が認められた。
サブ解析では、ゴール設定の期間(1週間ごと or 時々)、介入期間(3か月以上 or 未満)、フィードバックの方法(対面 or 遠隔)いずれでも、歩数計によるPA促進は効果が認められた。
歩数計による介入は、活動量計を用いた介入よりも効果的だった。
だそうです。
ただし、研究方法や対象者にバラつきがあるため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
歩数計を用いたPA促進は、単独でも呼吸リハ併用でも、ゴール設定の期間、介入期間、フィードバックの方法に関わらず、効果がある。
ということになります。
歩数計を用いることでPAが向上するというのは重要なことですが、活動量計よりも歩数計の方が効果的というのはより重要だと思います。
活動量計は、歩数以外の色々なデータが測定できるので便利な反面、コストが高いですし、情報が多すぎるために扱いが難しいのではないかと思います。
歩数計は安価で簡単に手に入るので、活用しやすい方法ではないかと思います。