COPD患者では、疲労感を訴える方が多くいらっしゃいます。
COPD患者の疲労感は、QOLを低下させる因子であることが報告されています(こちら)
COPD患者のリハビリテーションには様々な介入方法が検討されていますが、運動内容の違いで疲労感に与える効果の違いについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COPD患者の疲労感に対しては、どんな運動が良いの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2019年にオーストラリアのLiらの研究チームは、2018年10月までに登録されている17本の論文を解析しています。
結果として、
持続的運動と間欠的運動の比較では、群間で差はなかった。
持久力運動と抵抗運動の比較では、群間に差はなかった。
持久力運動の運動様式の違いによる比較では、群間に差はなかった。
抵抗運動の運動様式の違いによる比較では、群間に差はなかった。
呼吸リハプログラム+バランス運動の有無の比較では、群間に差はなかった。
だそうです。
ただし、研究方法にバラつきがあり、対象者が少ないため、更なる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
COPD患者の疲労感改善には、運動内容による差はない。
ということになります。
COPD患者では、どのような運動でも同程度の疲労感改善効果を認めるということですね。
呼吸リハではいかに身体活動量を増やすかが議論されますが、その患者さんの受け入れが良く持続できる運動様式なら何でも良さそうですね。