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TKA,筋力訓練 ,大腿四頭筋 |2023.01.12|最終更新:2023.01.14|理学療法士が監修・執筆しています
TKA術後の臨床疑問
あなたがこのページを開いたということは、下記の項目かそれに類することに悩んでいると思います。
○TKA後の筋力改善に意味があるのかわからない。
○TKA後の筋機能の改善方法がわからない。
○TKA後の筋出力が増強する効果的な運動方法がわからない。
この疑問。解決の糸口がみつかります。
Total knee approach=人工膝関節全置換術
学生時代も、臨床でも、急性期でも、回復期でも、変形性膝関節症の患者さんや人工膝関節全置換術(TKA)の患者さんを見る理学療法士は多いです。
教科書的知識はもちろんですが、臨床に出た方は多くの細かい疑問にぶつかりますよね。
今回は、リハオンデマンドで公開している
『TKA術後の理学療法 臨床に必要なTKA後の筋力低下に関する知見【大西邦博先生】』を紹介します。
本セミナーでは、臨床で出会う様々な疑問に対する答えとなる論文や知見を大西先生の目線から解説しています。
非会員の方はアーカイブ動画は見られませんが、当ブログでは動画内容を抜粋してお届けしますので、ご安心を。
このブログ+動画を見ればTKAの最新知見と臨床疑問を解決するきっかけが見つかること間違いなしです!
急性期に筋出力に対するアプローチが必要な理由
まず、なぜ筋出力に関するアプローチが必要なのでしょうか?
TKAの術後に必要なことは数多くありますが、筋肉という点に対して理学療法を行う意義はどこにあるんでしょう?
膝関節伸展筋力の術前・後の推移
下記論文の図3A.Bを見るとよくわかると思いますが、膝関節等尺性膝伸展筋力は、
✅ TKA術前、術後では大きく低下する。
✅ 術後2週から術後3ヶ月後までの伸びしろが高い。
✅ 術前レベルに戻すまでには3ヶ月以上の期間を要する。
✅ 1年経過でプラトーに達する。
であることがわかると思います。
そのため、TKA術直後、急性期でのリハビリテーション・筋肉に対するアプローチは重要なのです。
術後早期TKA患者に対するガイドライン
エビデンスレベル/推奨度
では、まずガイドラインでのTKA術後リハビリテーションの公式見解を確認します。
〇運動機能訓練
エビデンスレベル高 推奨度:中
・バランス 歩行 運動対称性の獲得
○神経筋刺激
エビデンスレベル高 推奨度:中
・TENS療法(大腿四頭筋への電気刺激が有用)
○負荷運動
エビデンスレベル:高 推奨度:中
・術後1w以内に高強度の運動を実施
参考文献:運動器認定理学療法士講習会
効果があることはガイドラインでも明らかなようです。
骨格筋修復の過程
TKAに限らず、手術には侵襲が伴いますし、その回復も考慮に入れる必要があります。
では、筋・皮膚の修復に要する時間はどの程度でしょうか。
○筋の修復に要する期間
約1ヶ月
○皮膚の修復に要する期間
約2週間前後
これは筆者も気になっていたところです。筆者の病院では、2週間程度で抜糸となりますが、こういう意図もあっての期間なんでしょうね。
皮膚のモビライゼーションを始める適切なタイミングとかも気になる…
手術侵襲方法よる筋力回復の違い
次は、手術方法による違いです。
あなたの病院ではどの方法が多いでしょうか。
当然手術侵襲による筋力回復に違いはあります。
下記の手術方法を比較した結果を解説していきます。
正式名称+略語一覧
medial midvastus approach (MMV)medial parapatellar approach (MPP or MPA)
subvastus approach (SV or SVA)
midvastus approach (MV or MVA )
lateral parapatellar approach (LPA)
〇 MMV VS MPP
・術後成績の違いはない
〇 MPP VS SV
・SV群がMPP群より長期的なアウトカム改善あり。
・SV群がMPP群より1年後の屈曲角度は有意に低い。
〇 MPP VS MV
・2年後までの転帰に差はない。
〇 MPA VS LPA
・軽度有意差あり
〇 C VS MI
C TKA:膝蓋骨の反転あり。侵襲がVMにあり。
MI TKA:膝蓋骨の反転なし。侵襲がVMに2cmあり。
・低侵襲である方が術後3週までの筋力回復が早い。
✅ 自院での手術方法は要チェック!! |
大腿四頭筋筋力測定・評価の再現性・信頼性
では、実際筋力を評価する上で何を使用してますか?
臨床をしている方は基本的に下記を使っているのではないでしょうか。
臨床でよく使用する膝関節伸展筋力に関する評価指標
・サイベックス
・HHD
・MMT
筆者の病院ではHHDを使用して膝関節伸展筋力を測定することが多いですね。
MMTは学会発表でも見なくなっていると聞いたことがありますし、論文に載っていることは症例報告以外ではあまりないイメージです。
そのため、大西先生も下記を説明しています。
POINT ✅ HHDはベルト法以外の徒手評価のエビデンスも出てきている。 ✅ 患者の体重や体格、検者の体重や体格によって測定差が出てしまう。 結論 |
TKA後の伸展筋力値のプラトー(変化が少なくなる)時期はいつ?
評価方法の最適解はわかったかと思います。では、1つ目の疑問に重なる部分もありますが、伸び代はいつまであるでしょうか。
鍛えて伸びる期間に関しても報告されており、そこでは下記が挙げられています。
POINT ✅ 6ヶ月-12ヶ月では身体機能の向上は低い ✅ 1年後の関節認識のプラトーは膝関節伸展筋力に寄与する。 |
膝関節の筋力が大事な理由 FJS-12
膝関節評価の1つとして、FJS-12があります。
この検査はご存知の方も多いと思いますが、下記のことが言われています。
〇 forget joint score – 12 (FJS12)
・点数の改善によって膝関節を忘れるぐらい良いとされる。
・筋力とも強い相関がみられる。
そのため、このFJS-12が低いということは、日常生活で膝を気にせず過ごすことができているということになります。
つまり、筋力を鍛えることは、日常生活の満足度を上げることに貢献できる可能性があるということです。
・ 古谷英孝,廣幡健二,美崎定也ほか.人工関節置換術後患者における日本語版 Forgottenjoint score の再現性と妥当性.理学療法ジャーナル 2019;53(7):742‒749.
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っと、、ブログでお伝えできるのはここまで!ごめんなさい、、
ここまでの内容で動画の10分程度までです!まだまだ面白く、勉強になる内容が動画には盛沢山です。
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是非是非感想もお待ちしてます!
さ・ら・に!
1月19日にはTKA術後理学療法第2弾を予定!!
TKA後のROM制限、、これも難しい問題ですよね。
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本記事の執筆・監修・編集者
反響があれば追記で内容をアップデートしますので…!!
では、今度のライブセミナーでお会いしましょう!
✅セミナー講師(大西先生)✅記事監修(幸)✅執筆・編集(てろろぐ)
本記事の参考文献まとめ
・ 古谷英孝,廣幡健二,美崎定也ほか.人工関節置換術後患者における日本語版 Forgottenjoint score の再現性と妥当性.理学療法ジャーナル 2019;53(7):742‒749.