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【仮想現実・VR】エクサゲームは従来の心臓リハビリテーションより有効なの?

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心リハ,エクササイズ|2022.07.08|最終更新:2022.07.10|理学療法士が監修・執筆しています

本記事の結論

✅ 従来の心リハと比較して差はみられなかった。

✅ 逆説的に通常のリハ以外の選択肢としてVRを活用できる。

心臓リハビリテーションと仮想現実(VR)

心血管疾患(CVD)は全世界で主な死因の上位を占めており、その予防や発症後のリハビリテーションは重要となります[1]。
従来の心臓リハビリテーション(CR)には運動、食事、精神心理的介入など包括的な内容が含まれており、その有効性が認められています[2]。

CRの課題として継続率の低さが挙げられていましたが、その課題解決の手段として仮想現実(VR)を用いたリハビリテーションが検討されています[3]。

エクサゲーム(エクササイズとゲームを合わせた造語)という言葉は知っていますか?
エクサゲームに関しては様々な面で有用性が研究結果として出てきています。

 

しかし、CVD患者さんに対するVR等を用いたリハビリテーション(エクサゲーム)の有効性については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「エクサゲームは従来の心臓リハビリテーションより有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。

 

研究概要

スペインのBlasco-Perisらの研究チームは、2021年6月までに登録されている8本の論文を解析。

 

対象

対象国:ブラジル、台湾、スペイン、アメリカ、イタリア、スウェーデン、ポルトガル、アイルランド、オランダ、イスラエル
対象者数:733名(介入群:394名、対照群:349名)
平均年齢:介入群58.5歳、対照群59.5歳
介入期間:6週間~48週間
介入内容:oculus glasses、ゲーム機など3D技術を用いた機器

 

結果

エクサゲーム vs 従来CR

効果あり 効果不明
  • 6分間歩行距離
  • QOL
  • メンタルヘルス

ただし、研究数が少なく、研究の質も低いため、更なる研究が必要と述べられています。

 

まとめ

エクサゲームは従来のCRと比較して、運動耐容能やQOLに対して効果に差がないという結果でしたが、見方を変えれば、従来のCRの代替法としてエクサゲームを用いることができるとも言えると思います。
自転車運動や単純動作の筋力トレーニングだと飽きられてしまうことを経験することは少なくないと思いますので、CRの手段の1つとしてエクサゲームを用いることは有用ではないかと思います。

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参考文献

[1] Virani, et al. Circulation. 2021 Feb 23;143(8):e254-e743.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33501848/

[2] Pelliccia, et al. Rev Esp Cardiol (Engl Ed). 2021 Jun;74(6):545.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34020769/

[3] Fang, et al. Am J Phys Med Rehabil. 2022 Mar 1;101(3):217-228.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33929347/

[4] Blasco-Peris, et al. Int J Environ Res Public Health. 2022 Mar 15;19(6):3492.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35329177/

 

この記事のライター
宇野勲先生