マグネシウムは心血管系の機能を調節する機能があり、マグネシウムが不足すると心血管疾患のリスクが高くなることが報告されています(こちら)
しかし、マグネシウムを摂取することで血管系にどのような変化するかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「マグネシウム摂取は血管系にどのような効果があるの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)
2020年にブラジルのMarquesらの研究チームは、2019年5月までに登録されている5本の論文を解析しています。
結果として、
マグネシウムサプリメント摂取は、血流依存性血管拡張反応(FMD)、脈波伝播速度(PWV)を変化させなかった。
サブグループ解析では、不健康、50歳以上、BMI≧25kg/m2、6か月以上摂取で、FMD改善効果が認められた。
血圧にはマグネシウム摂取の効果は認められなかった。
だそうです。
ただし、RCTが少なく研究間の不均一性が高いため、さらなる研究が必要だそうです。
結果をまとめますと、
不健康、50歳以上、BMI≧25kg/m2、6か月以上摂取では、マグネシウム摂取は血管機能を改善する可能性がある。
ということになります。
マグネシウムは海藻類や精製されていない穀物、豆類に多く含まれています。
高齢者ではバランスの良い食事を準備するのが難しい方は少なくないと思います。
バランスの良い食事の準備が難しく、摂取量不足が予想される方には、マグネシウムサプリメントを摂取してもらうことで、心血管疾患リスクを軽減できる可能性があるかもしれません。