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正しいリスクを取るための戦略。損失回避と双曲割引

リスクとは、「手間・時間・お金を使うこと」です。

 

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授によると、人は何かを得るよりも、何かを失うことに意識が向きやすいそうです。

これをプロスペクト理論と呼びます。

 

また同じく行動経済学の研究から、人は未来の出来事に対しては楽観的になりやすいことも明らかになっています。

これを双曲割引といいます。

 

これらの結果から、現状を失うことばかりに意識が向き、しかもその結果起こる未来を楽観視するという行動を選択します。

 

しかし、現状を維持し、取り残され、気づいた頃にはもう遅いということこそがリスクです。

現状維持によって発生する手間・時間・お金を取っているということは、無意識のうちに取る必要のないリスクを取り続けているということになります。

 

これでは本当に取るべきリスクをとるための、手間も時間もお金もなくなってしまいます。

変化することはリスクではありません。

 

正しいリスクを取るための戦略は、

「未来を必要以上に楽観視せず、変化するために手間・時間・お金を使うこと」

ということになります。

 

参考:

Hayden BY:Time discounting and time preference in animals: A critical review. Psychon Bull Rev. 2016 Feb;23(1):39-53

Kahneman D, et al:Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. Econometrica

Vol. 47, No. 2 (Mar., 1979), pp. 263-292