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COPD患者の呼吸トレーニングの効果は?

COPD患者では、呼吸トレーニングによって運動能力が改善することが、2012年に報告されています(こちら)。
その後様々な方法を用いた調査が行われていますが、呼吸トレーニングの効果についてアップデートされた報告はありませんでした。
今回紹介する論文は「COPD患者の呼吸トレーニングの効果は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら

2021年に中国のYunらの研究チームは、2019年1月までに登録されている17本の論文を解析しています。
結果として、
含まれた呼吸トレーニングは、いずれも薬物療法や身体トレーニングとの併用で、吸気筋トレーニング、吸気筋+呼気筋トレーニング、横隔膜呼吸、六字訣(中国の伝統的呼吸法)だった。
呼吸トレーニングを行うことで吸気筋力(MD=8.656分間歩行距離(MD=27.7)は向上したが、呼気筋力QOL差がなかった
だそうです。
ただし、対象者の選定や評価方法など調査間でバラつきがあり、さらなる研究が必要だそうです。

 

COPD患者さんのQOLは、呼吸トレーニングでは改善は難しそうですね。
筋力トレーニングや持久力トレーニングなど、他の運動療法でもQOLへの効果は限定的だとする報告があるので、COPD患者さんのQOLには多職種による包括的アプローチが必要なのかもしれません。

 

この記事のライター
宇野勲先生