慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では、疲労感を訴える患者が50%と多く、機能障害やQOLの低下と関連していると言われています(こちら)。
しかし、疲労感に関する調査は増えていますが、総合的に判断できるデータが不足していました。
今回紹介する論文は「COPD患者の疲労感に関連する要因は?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。
2021年にニュージーランドのEbadiらの研究チームは、2020年1月までに登録さている196本の論文を解析しています。
結果として、
疲労の有病率は17~95%だった。
加齢、女性、低学歴、配偶者がいない、呼吸困難感、増悪が多い、併存疾患がある、薬剤数が多い、筋力・身体機能が低い、抑うつ、不安感、健康関連QOLが有意に関連していた。
一方、気流制限とBMIは関連していなかった。
だそうです。
ただし、疲労の評価方法にバラつきがあり、研究の質の評価が行われていないため、されなる研究が必要だそうです。
COPD患者さんの疲労感には、多くの因子が関連しているようですね。
COPDのリハビリテーションというと、運動耐容能や筋力向上など身体機能に目が行きがちですが、精神的、社会的因子にも目を向けることで、疲労感の軽減につながり、活動や参加を促進させることができるかもしれません。