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運動療法, 心疾患, 在宅|2022.08.19|最終更新:2022.08.26|理学療法士が監修・執筆しています
はじめに
運動療法は心疾患患者のリハビリテーションの主軸を成しており、心血管疾患の予防から治療まで有効性が認められています[1]。
運動療法の実施方法として、在宅ベースや施設ベースでの運動が検討されており、いずれも身体機能やQOLの改善に有効であることが認められています[2]。
しかし、運動の実施方法それぞれを比較して、どれが有効かについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「運動ベースの心臓リハビリテーションの実施方法で最も優れている実施方法は?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。
✅ 在宅ベース・施設ベースでも大きく効果に差はない |
研究概要
2022年にオーストラリアのTegegneらの研究チームは、2021年6月までに登録されている139本の論文を解析。
対象
対象者数:中央値50名(10名~2331名)
年齢:中央値61.1歳(44歳~81歳)
介入期間:中央値12週間(12週間~24週間)
フォローアップ期間:中央値16週間(12週間~26週間)
結果
6分間歩行試験
効果あり | 効果不明 |
※実施方法間での差なし。 |
シャトルウォーキング試験
効果あり | 効果不明 |
|
VO2peak
効果あり | 効果不明 |
※実施方法間での差なし。 |
QOL
効果あり | 効果不明 |
|
心不全関連入院
効果あり | 効果不明 |
|
心不全関連死
効果あり | 効果不明 |
|
ただし、施設ベースと在宅ベース以外の実施方法の研究が少なく比較できておらず、介入内容にもバラつきがあるため、さらなる調査が必要と述べられています。
まとめ
心不全患者さんでは、在宅でも施設でも効果には大きな差はないようですので、その方が継続しやすい方法を選択することが大切だと思います。
今回は調査数が少なく効果の検証が不十分だったテクノロジーベースや複合型の心臓リハの報告も徐々に増えてきているので、今後は選択肢が増えてくるかもしれません。
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地域在住高齢者では、70分/回×週2回×16週間の運動介入を行うと、プレフレイルの46%、フレイルの50%がそれぞれロバストやプレフレイルまで改善したそうです。https://t.co/E0fiqzFPr7
— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) June 2, 2022
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参考文献
[1] Taylor, et al. JACC Heart Fail. 2019 Aug;7(8):691-705.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31302050/
[2] Imran, et al. J Am Heart Assoc. 2019 Aug 20;8(16):e012779.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31423874/
[3] Tegegne, et al. Open Heart. 2022 Jun;9(1):e001949.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35680170/