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回復期と生活期の考え方 新人セラピスト成長記録(生活期)#02

(公開日:2020年9月27日)

みなさん、こんにちは。新人セラピストの田中亜祐実です。
今回も私が勤める生活期(デイケア)から、日々の学びや悩み、素朴な疑問を執筆してきたいと思います。

回復期とデイケアの違い

前回、訓練内容がルーティン化しこなすだけのリハになっている事、一緒に考えながらリハを行う事の大切さについて感じた事をまとめてみました。更に1ヶ月が経ち、回復期とデイケアの違いについて新しく感じた事について記していこうと思います。
新人のうちや急性期、回復期でリハビリをしていると、疼痛や動作を改善する方法としてよく機能面ばかりに目が行きがちになります。私も臨床に出て今年で4年目になりますが、未だに機能面ばかりに考えが固執してしまいがちだと気付きました。デイケアではあくまで生活期のリハが求められています。更に私の所属している短時間デイケアでは、長時間デイケアを利用されている方々より比較的自立度が高い方が多いです。確かに機能面の向上、改善に伴い、動作能力の向上や疼痛軽減に繋がる事は多いですが、デイケアに通われる方とは、週に数回しか接する事が出来ません。また回復期のように担当制でもない為、次回利用時に必ず同じ方に介入できるとも限らず、介入中の短い時間の中で機能面を改善するのは、難しいのではないかと感じました。もちろん、機能面に対しての介入を行わないわけではありませんが、生活期のリハとして求められているものはあくまでも「普段生活する中で困っている事」に対してであり、機能面よりも生活する環境や動作指導の方が重要だと感じました。ご利用時間中はリハスタッフだけでなく介護職や送迎スタッフと関わる時間も多く、同じデイケアのスタッフでもリハ職と介護職の視点では同じ利用者様に対しても接し方も違う為それぞれ違った見え方になると思います。利用者様もそれぞれのスタッフに話しやすい事、話しにくい事があるように感じます。リスク管理の為だけでなく多角的な視点を持つという意味でも、他のスタッフと些細な事でも利用者様の変化について意見交換や随時情報共有する事が大事だと感じました。

生活期の対象者のマインド

先月の内容にもあったように、どうしても「今更よくならない」という考えが強い方が多く見受けられます。そこで「身体を治す」というよりは、「こう動けば負担がかからない」「簡単にできる」という方向で説明する方がスムーズに受け入れてもらえました。介入している短い時間の中だけでは利用者様の普段の生活全てを把握できるわけではありません。機能面の制限因子から考えるのではなく、普段の生活、社会参加レベルから波及して環境面や機能面のどこを変えると最も効果があるのかという考え方に切り替えていく必要があると思いました。

この記事のライター
田中亜祐実先生