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さまざまな介護施設の特徴について 入所系 新人セラピスト成長記録(生活期)#06

今回は、介護施設の特徴についてお話していこうと思います。私が回復期に勤めていた時は、退院後在宅生活を送るのか施設入所を検討するのか、主にご家族様と話し合う機会が多くありました。しかし、デイケアに来てからは利用者様本人とお話する事がほとんどであり、特にご高齢の方となるとやはり[施設に入る]=[認知症の人や自分の事が出来ない、動けない人が行く場所・一度入ると出られない]と多くの方がマイナスなイメージしか持たれていないのが現状です。その際、一言で施設と言っても色々なタイプの施設があるのは分かっていますが、細かい違いやその方に合う施設を提案する事が出来ないと気付きました。そこで今回は、利用者様に説明できる程度の知識を付ける為、以下の施設について調べてみたので、共有できればと思います。

[入所系]

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設(介護医療院)

[住宅系]

  • グループホーム
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • その他(ケアハウス等)

今回は入所系の[特別養護老人ホーム][介護老人保健施設][介護療養型医療施設]についてお話していきます。

特別養護老人ホーム

一般的に特養と呼ばれる施設で、要介護認定を受けた高齢者が安定した身体介護サービスを受けながら生活できる施設です。入所可能となるのは要介護3以上の方であり、特養の利点は以下の通りです。

  • 日常生活動作全般の介護を受けられる為、介護度が上がっても退所する必要はない
  • 比較的低価格な所が多い(居室のタイプにより異なる)
  • ある程度の医療行為が受けられる(訪問介護のサービスが利用できる為)

デメリットとしては低価格である為に入所待機者が多く、希望してもすぐに入所できないケースが多々あります。またご家族様としても金銭面の負担が少ない為、介護度が低く本人様の能力が高くても特養への入所を希望される方が時折いらっしゃいますが、上記しているように要介護3以上の方が入所の対象となるので、他の施設を検討する必要があります。

ただし、特養の入所については特例で要介護1.2の方も入所できるケースがあります。

勿論、特例となりますので条件はありますが、条件を満たした上で市町村や施設ごとに設置している入所検討委員会を経て、入所が必要と認められた場合に限ります。その中でも優先順位の高い方から順に入所可能となりますので、全員が入所できる訳ではありません。

介護老人保健施設

老健の位置付けとしては、病院と特養などの在宅系との中間地点であり、あくまでも在宅復帰を目的としてリハビリを行う施設になります。特徴は以下の通りです。

  • 1週間に2回以上のリハビリを受ける事が出来る
  • 常勤の医師や看護師もいる為、酸素吸入・胃瘻・吸引などの医療管理が出来る
  • 入所中、老健内では医療保険は使えない

特養と同様に低価格での入所が可能ですが、上記にもあるように特養との大きな違いは在宅復帰を目的にリハビリを行うことができる点です。その為、終の棲家として検討するなら特養、在宅復帰を検討しているなら老健への入所が望ましいかと思います。

介護療養型医療施設・介護医療院

療養病床とも呼ばれる介護施設であり、長期の療養が必要な方向けの入所施設になります。多くは医療法人により運営されている為、リハビリや医療ケアが充実しています。
しかし[介護療養型施設]は近々廃止が決定しており、今後は[介護医療院]に変わります。
介護医療院とは、医療ケア・介護サービスだけでなく生活の場を提供する事が特徴とされています。吸引や経管栄養など高度な医療ケアが必要な方も入所可能であり、看取りまで見据えた長期の入所が前提です。また、老健はリハビリを目的とした期限付きの入所であるのに対し、介護医療院でも同様に生活機能向上の為のリハビリを受ける事が出来ます。

 

今回は入所系施設の説明となりましたが、入所系だけでもこれだけ明確な違いがあります。
次回は在宅系の施設について説明しようと思います。

この記事のライター
田中亜祐実先生