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COPD患者の交感神経過活動に対して有効な介入方法は?というお話し

COPD患者は、交感神経が過剰に活性化しており、そのことが運動制限につながっている可能性が考えられています。

ドイツのHaarmannらの研究チームは、COPD患者を対象に筋交感神経活動(MSNA)と運動機能との関連を調査し、COPD患者ではMSNAが過剰活性しやすく、運動耐容能や酸素摂取量と負の強い相関を示すことを明らかにしました(こちら

 

今回紹介する論文は、「COPD患者の交感神経過活動には何をすれば良いの?」という疑問に応えてくれる論文です(こちら)。

 

ゲント大学のMohammedらの研究チームが、2015年8月までに登録されている論文18件を解析しています。

含まれている介入方法は、

 

  • ゆっくりした呼吸
  • 非侵襲的人工呼吸(NIMV)
  • 酸素投与

 

でした。

 

結果として、

 

  • ゆっくりした呼吸酸素投与は、自律神経活動を改善させるのに有効だった。
  • NIMVは、効果の有無については明らかにならなかった。

 

だそうです。

 

ただし、自律神経活動の検査にバラつきがあること、対象者の特徴にバラつきがあることから、今後さらなる研究が必要と述べられています。

 

結果をまとめますと、

 

  • COPD患者の交感神経過活動を改善するには、ゆっくりした呼吸法酸素投与が効果的

 

ということになります。

 

COPD患者に対しては、ヨガや太極拳の有効性も認められています。

ヨガや太極拳も、動作時の深呼気が特徴の一つなので、やはりゆっくりと呼吸をすることが大切なのですね。

口すぼめ呼吸も、呼気圧を高めることが有効である理由だと一般的に言われていますが、深呼気になることが有効性の機序の一つかもしれませんね。