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高齢者, 転倒, 運動療法|2022.05.20|最終更新:2022.05.21|理学療法士が監修・執筆しています
✅ 転倒に対する恐怖感の改善には、3D運動(太極拳、ピラティス)・複合運動・バランス運動が有効。 |
はじめに
高齢者では転倒の発生率が高く、65歳以上では3人に1人、80歳以上では2人に1人が毎年転倒していると報告されています[1]。
高齢者が一度転倒を経験すると、転倒恐怖(Fear of falling (FOF))を有するリスクが高くなります[2]。
FOFは高齢者のADL、IADLの制限因子となるため[3]、フレイル予防、介護予防に重要な因子となります。
FOFには様々な運動介入方法が検討されていますが、どのような運動が効果的かについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「高齢者の転倒恐怖に有効な運動は?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。
研究概要
2022年位カナダのFengらの研究チームは、2019年12月までに登録されている75本の論文を解析。
対象
対象国:アメリカ、オーストラリア、ドイツ
対象者数:中央値80人(6名~1254名)
平均年齢:77歳
介入期間:中央値12週間(10~24週間)
介入内容:複合運動、バランス運動、3D運動(太極拳、ピラティス)、筋力トレーニング、有酸素運動
運動強度:1RM:30%~85%、RPE:7~14
運動時間:中央値60分(15~135分)
結果
効果あり | 効果不明 |
|
|
ただし、対象者や介入方法にバラつきがあるため、更なる研究が必要と述べられています。
まとめ
転倒恐怖を改善させるためには、様々な要素を含んだ運動が有効なようです。
個人個人でも、どの要素が最も影響しているかには違いがあると思いますので、集団に加えて個別での介入も必要になってくるかもしれません。
本記事の執筆・監修・編集者
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地域在住高齢者では、読書時間が長いと認知症発症リスクが低く、この関連性は身体活動レベルが高いほど強かったそうです。
一方、テレビ視聴時間の長さは身体活動レベルに関わらず、認知症発症とは関連していなかったそうです。https://t.co/3O8vmbKAzI— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) May 20, 2022
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参考文献
[1] Phelan, et al. Ann Intern Med. 2018 Dec 4;169(11):ITC81-ITC96.
[2] MacKay, et al. Can Geriatr J. 2021 Dec 1;24(4):379-394.
[3]Risk for physical dependence in community-dwelling older adults: The role of fear of falling, falls and fall-related injuries
[4] Feng, et al. Phys Ther. 2022 Jan 1;102(1):pzab236.