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【高齢者・脱水】肺炎患者の水分摂取-脱水状態が予後に与える影響とは-

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栄養, 肺炎, 脱水|2022.09.02|最終更新:2022.09.02|理学療法士が執筆・監修しています

肺炎と水分摂取の関係性

肺炎患者では、栄養状態不良だと死亡リスクが高くなることが報告されています[1]。
栄養状態と同様に水分摂取状態も大切であり、肺炎の重症度を判定する指標としてA-DROPやI-ROADがありますが、いずれの項目も脱水を含んでいます[2]。

高齢肺炎患者は、肺炎による倦怠感不安定な意識レベル嚥下障害などで水分摂取が不足しやすい状態ですが、一方で急性期では水分が貯留しやすい状態でもあるため、水分摂取量を厳格に調整する必要があることも示されています[3]。

このように、高齢肺炎患者では水分摂取量が少ないことが必ずしも転帰不良になるかどうかは明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「高齢肺炎患者の水分摂取不足は予後に影響するの?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。

 

肺炎患者の脱水状態は…

✅ 中~長期の死亡リスク。

✅ 経口摂取の獲得

✅ 心臓疾患の合併症併発のリスク

研究概要

2022年にイギリスのHooperらの研究チームは、2020年10月までに登録されている22本の論文を解析。

対象

対象者数:456名-68584名
平均年齢:63-85歳
肺炎分類:市中肺炎、院内肺炎、医療介護関連肺炎、混合、COVID-19肺炎以外の肺炎、不明

結果

脱水による転帰

予後不良リスク増加 影響不明
  • 中期(7-31日)死亡リスク
  • 長期(31日以上)死亡リスク
  • 心臓合併症
  • 30日経口摂取獲得
  • 菌血症

ただし、研究方法にバラつきがあるため、更なる研究が必要と述べられています。

まとめ

今回、脱水状態が肺炎患者さんの複数の転帰不良因子であることが明らかとなりましたが、具体的にどれくらいの水分を摂取すれば良いかなど、水分補給による影響までは明らかになりませんでした。
必要な水分摂取量に関しては、患者さんの体格や全身状態、併存症など様々な因子が関係しているため、検査データやフィジカルアセスメントから脱水状態が疑われた場合には、医師や薬剤師、栄養士など多職種を交えて、ケースバイケースで水分摂取量を調整する必要があるかもしれません。

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参考文献

[1] Yanagita, et al. Clin Respir J. 2022 Jul 5. doi: 10.1111/crj.13521.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35789107/

[2]今村 他. 日本内科学会雑誌/104 巻 (2015) 10 号.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/10/104_2228/_article/-char/ja

[3] Matthay, et al. Lancet Respir Med. 2020 May;8(5):433-434.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32203709/

[4] Hooper, et al. Clin Nutr ESPEN. 2022 Feb;47:96-105.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35063249/

 

この記事のライター
宇野勲先生