[no_toc]
低血圧 , ビタミンD, |2022.07.22|最終更新:2022.07.22|理学療法士が監修・執筆しています
✅ 起立性低血圧のリスク低下に有効な因子は…
|
はじめに
起立性低血圧は高齢者に多い血管障害の1つであり、生活の質の低下、転倒リスク、死亡リスクなど予後不良因子となることが知られています[1]。
起立性低血圧の原因には様々な因子が関連していますが、その1つとしてビタミンD欠乏が考えられております[2]。
ビタミンD不足は、動脈壁細胞の機能不全から血管の柔軟性の低下や圧反射機能の低下を誘発する可能性が報告されています[3]。
ビタミンDは高齢者では減少しやすく、サルコペニアなどのリスク増加と関連しています[4]。
しかし、起立性低血圧とビタミンDとの関連性に影響する因子はまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「起立性低血圧とビタミンD欠乏との関連性に影響する因子は?」という疑問に応えてくれる論文です[5]。
研究概要
2022年にイタリアのZuinらの研究チームは、2021年7月までに登録されている8本の論文を解析。
対象
対象国:イギリス、アイルランド、イタリア、フランス、トルコ
対象者数:16326名(51名~4186名)
平均年齢:75.5歳(61.5歳~83.3歳)
結果
影響あり(起立性低血圧リスク低下) | 影響不明 |
|
|
ただし、研究数が少なく、研究方法のバラつきが大きいため、更なる研究が必要と述べられています。
まとめ
高齢者では食事摂取量や日光暴露量が減少することでビタミンD不足に陥りやすい状態にあります。
起立性低血圧は転倒のリスク因子でもありますし、ビタミンD不足は骨の脆弱化にも影響するので、
ビタミンDが不足している場合にはビタミンDの摂取量を増やす工夫や日光暴露量を増やすことでリスクを少しでも下げられるような関わりが大切だと思います。
本記事の執筆・監修・編集者
✅記事執筆者(宇野先生)のTwitterはこちら↓↓
地域在住高齢者では、70分/回×週2回×16週間の運動介入を行うと、プレフレイルの46%、フレイルの50%がそれぞれロバストやプレフレイルまで改善したそうです。https://t.co/E0fiqzFPr7
— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) June 2, 2022
関連するトピック
✅栄養に関する人気記事はこちら
✅脳血管疾患の人気記事はこちら
✅リハとびの動画はこちら
あなたにおすすめの記事
参考文献
[1] Magkas, et al. J Clin Hypertens (Greenwich). 2019 May;21(5):546-554.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30900378/
[2] Ometto, et al. J Hypertens. 2016 Jun;34(6):1036-43.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27027426/
[3] Annweiler, et al. J Intern Med. 2014 Sep;276(3):285-95.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24444004/
[4] Remelli, et al. Nutrients. 2019 Nov 21;11(12):2861.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31766576/
[5] Zuin, et al. Aging Clin Exp Res. 2022 May;34(5):951-958.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34628636/