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糖尿病を放置するとこうなる!?『大切断』と『小切断』の違いとは?

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糖尿病,大切断,小切断 |2021.07.13|最終更新:2023.01.04|理学療法士が監修・執筆しています

本記事の結論

✅ 大切断と小切断は、足関節以上または以下での違い。

✅ 切断部位が高位になると死亡率が上がる。

一重に切断と言っても様々で、この言葉の意味って?切断部位における違いは?切断後の患者さんに具体的に何が起こるの?と疑問が様々ありますよね。そんな臨床で頻繁に接する疑問に焦点を当ててみました。

今回は、大切断と小切断の違いについて紹介します。

加筆修正:【糖尿病・フットケア】理学療法と下肢切断の基本~大切断と小切断の違い~

下記記事にて本記事の加筆修正版を掲載中!本記事に興味がある方はぜひご覧ください。
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 大切断と小切断とは?

まずはじめに、大まかに説明をさせてください。

大切断はmajor amptation 小切断はminor amptation と呼ばれ、あなたも大腿や下腿切断をされた方を目にする機会はあると思います。
近年は外傷性の切断以上に糖尿病などの内因性の切断が増加しています。
それに伴い、下肢救済の観点から足趾など足関節以下の切断も増加傾向にあります。

今後、かつてない高齢社会に突入し、糖尿病患者も増え続けている日本にいるあなたにとって現代の切断の種類やその違いを知っておくことは重要です!

以下では大切断、小切断の色々な違いについて詳しくみていきます。

切断部位の違いは?

切断部位による違いが大切断と小切断という言葉の住み分けをしています。
大切断は大腿切断(AK:above knee amputation )下腿切断(BK:belloe knee amputation)膝関節離断を行なった方を指します。
小切断は足関節以下の切断を指しており、代表例はサイム(Syme)切断TMA切断(Trans-Metatarsal Amputation)趾切断が挙げられます。
上記は1例であり、同じ大腿切断でも近位なのか遠位なのかで違いますし、足趾切断も中節骨レベルか中足骨レベルなのかで変化します。

血行状態はどこを見る?

切断高位を決める際に重要なのが、動脈の血行状態です。

不要な切断を避ける上で、SPP(Skin perfusion pressure )ABI(ankle-brachial pressure index)で血行状態を把握し、バイパス手術や血行再建術によって血管状態を改善した後に切断高位を決定するのが一般的です。

脈拍を確認するために、看護師さんが足部に印をつけているところもあるんじゃないでしょうか。

当院では、理学療法士が血行測定を行うことはありませんが、基準値は患者の状態を把握する上で重要ですし、予後予測の判断要素として重要です。

基準値としてはSPPでは30mmHg未満ABIでは0.9mmHg未満が切断対象となります(当院では)。

大切断の中で、AKであれば、大腿深動脈の開存の有無。BKであれば膝窩動脈の開存の有無がポイントになるとされており、小切断であれば主に脛骨動脈足背動脈の開存の有無が指標となります。

切断後死亡率の違いは?

切断高位による死亡率は患者の予後に関わる重要なポイントです。
実際には合併症の有無や、透析の有無、生活環境など様々な因子によって変化しますが、今回は切断高位における死亡率に関して記載します。

あなたも切断高位が近位であるほど死亡率は低くなると考えると思います。
本当でしょうか?ではそうなる要因は何でしょうか?

実際大切断を行なった後の患者の経過を追った単施設での邦論文では松村らは術後1年生存率は51.5%)、また、(富村らは57.7%)と報告しており、切断術を行っても何らかの合併症から死亡に至るケースが半数以上であることがわかります。

また、2020年に発表された海外の文献では、
大・小切断後1年目と4年目の死亡率の比較をしており、大切断で33%65%、小切断では18%45%でした。

また、死亡と関連する大切断および小切断の共通する重要な因子として65歳以上糖尿病関連の心血管合併症があげられていました。
また、それぞれの特性として、
小切断患者では慢性腎疾患75歳以上であること.

大切断患者では抗うつ薬の消費が挙げられています.

今回の情報を下記にまとめました。

 

まとめ

いかがでしたか?大まかではありますが、
『大切断と小切断の違い』がわかったでしょうか。

血行再建や切断手術を行うのは医師ですが、なぜその部位で切断しなければならなかったのかを把握し、切断術毎の大まかな違いを把握するだけでも日々の患者さんへのアプローチが変化すると思います。

さらに下肢切断における違いを知りたい方は下記の記事をチェック

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✅記事監修(幸代表✅編集(てろろぐ

 参考文献

・猪飼 哲夫ら:下肢切断者のリハビリテーション効果と予後-影響する因子の検討-. リハビリテーション医学. 38:125-130, 2001. こちら

・富村 奈津子ら:当院における下肢切断術後の予後について, 整外と災外, 62(1):38-41, 2013.  こちら

・松村 陽介ら:下肢切断術後の予後調査, 整外と災外, 58(3) : 460-463, 2009. こちら

・Cascini S, Agabiti N, Davoli M, Uccioli L, Meloni M, Giurato L, Marino C, Bargagli AM. Survival and factors predicting mortality after major and minor lower-extremity amputations among patients with diabetes: a population-based study using health information systems. BMJ Open Diabetes Res Care. 2020 Jul;8(1):e001355. doi: 10.1136/bmjdrc-2020-001355. PMID: 32690575; PMCID: PMC7371030. こちら

この記事は理学療法士が執筆・監修しています。