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【慢性呼吸器疾患】持続的な運動とインターバルトレーニング【効果の違い】

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#トレーニング #運動療法 #呼吸器(公開日時  2022年2月11日 19:00 )

はじめに

 

慢性呼吸器疾患(CRD)患者さんでは、
運動耐容能の低下が日常生活を制限する主な要因と考えられており[1]、
そのため、CRD患者さんの運動耐容能の改善には、
中等度強度の持続的運動(CET)が推奨されています[2]。

一方で、重度のCRD患者では、
中等度強度の運動を持続的に行うことが難しいことも少なくないため、
インターバルトレーニング(IET)の有用性も示唆されてきています[3]。

しかし、CRD患者さんに対して、CETとIETのどちらが有効かについては、
まだ明らかになっていませんでした。

 

今回紹介する論文は
CRD患者ではCETとIETどちらが効果的なの?
という疑問に応えてくれる論文です[4]。

 

研究概要

 

2021年にイギリスのAlexiouらの研究チームは、
2020年9月までに登録されている13本の論文を解析しています。

 

対象

 

対象者数:530名。
対象疾患:COPD、嚢胞性線維症(CF)、肺移植。
介入期間:週2回~6回。3週間~16週間。
平均運動時間:IET26分、CET30分。

 

結果

 

IETの方が効果的 CETの方が効果的 効果の差不明
  • 最大負荷量
  • 呼吸困難感
  • 最高酸素摂取量
  • 最高心拍数
  • 最高分時換気量
  • 乳酸閾値
  • 下肢疲労感
  • 総トレーニング量

ただし、対象者数が少なく、疾患も限られているため、さらなる調査が必要と述べられています。

まとめ

 

IETの方がCETよりも有効な項目は限られていますが、
CETの方が効果的な項目は現時点では認められていませんので、
CRD患者さんにはIETの方が良さそうですね。

ただ、
IETのプロトコル(運動時間、インターバル時間、運動様式など)は
色々な組み合わせが提案されていますので、患者さんに合わせて設定する必要があると思います。

 

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参考文献

[1] Vogiatzis, et al. Compr Physiol. 2012 Jul;2(3):1779-817.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23723024/

[2] Spruit, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2013 Oct 15;188(8):e13-64.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24127811/

[3] Beauchamp, et al. Thorax. 2010 Feb;65(2):157-64.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19996334/

[4] Alexiou, et al. Chron Respir Dis. Jan-Dec 2021;18:14799731211041506.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34666528/

 

この記事のライター
宇野勲先生