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【発症後】COVID-19(コロナウイルス)の各後遺症割合の報告【その2】

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COVID-19, 呼吸器, 後遺症|2022.03.25|最終更新日:2022.03.25|理学療法士が監修・執筆しています

はじめに

 

COVID-19は世界的に猛威を振るっており、社会経済に多大な影響を与えています。
COVID-19の症状は呼吸器系(咳、咽頭痛、鼻漏、呼吸困難)、筋骨格系(筋痛)、消化器系(下痢、嘔吐)、神経系(頭痛、筋障害、老眼、無嗅覚)など多種多様で、全身に影響を与えます[1] 発症時の症状については、全世界で多くの調査がなされていますが、COVID-19は後遺症についても徐々に問題視されるようになってきました[2] しかし、COVID-19の後遺症の全体像についてはまだ明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COVID-19の後遺症はどうなっているの?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。

 

研究概要

 

2021年にスペインのPeñasらの研究チームは、2021年3月までに登録されている33本の論文を解析。

 

対象

 

対象者数:24255人
平均年齢:47.8±16.6歳
平均在院日数:12.5日

 

結果

 

発症時の症状

入院患者 非入院患者
  • 咳(65.2%)
  • 発熱(59.45%)
  • 疲労(48.0%)
  • 呼吸困難(50.9%)
  • 嗅覚障害(34.3%)
  • 味覚障害(34.0%)
  • 疲労(71.89%)
  • 筋肉痛(59%)
  • 咳(56%)
  • 発熱(52.5%)
  • 嗅覚障害(51.9%)
  • 味覚障害(51.8%)

後遺症

30日後 60日後 90日後
  • 咳(18.6%)
  • 嗅覚障害(16.5%)
  • 味覚障害(15. 7%)
  • 呼吸困難(13.2%)
  • 疲労(11.7%)
  • 錯乱(8%)
  • 疲労(56.2%)
  • 呼吸困難(27.2%)
  • 胸痛(23.6%)
  • 頭痛(19.8%)
  • 関節痛(19%)
  • 咳(18.9%)
  • 疲労(35. 3%)
  • 呼吸困難(26.3%)
  • 無気力(11%)
  • 筋肉痛(10.9%)
  • 関節痛(10.3%)
  • 味覚障害(10%)

ただし、研究方法にバラつきがあり異質性が高いため、更なる研究が必要と述べられています。

 

まとめ

 

発症してから90日後まで疲労感や呼吸困難感が残るというのは、COVID-19後のリハビリテーションの重要性を示唆する結果だと思います。
変異株の特徴によって後遺症の出方も異なる可能性は考えられますが、これからは治癒したらそこまでではなく、その後のリハビリテーションにも力を入れていく必要があると思います。

✅記事編集(てろろぐ)・監修(幸代表

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参考文献

 

[1] Guan, et al. N Engl J Med 2020; 382:1708-1720.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/neJMoa2002032

[2]Rubin, et al. JAMA. 2020;324(14):1381-1383.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2771111

[3]Fernández-de-Las-Peñas, et al. Eur J Intern Med. 2021 Oct;92:55-70.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34167876/

 

この記事のライター
宇野勲先生