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呼吸器, 急性期, COPD|2022.05.06|最終更新日:2022.05.06|理学療法士が監修・執筆しています
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は進行性の呼吸器疾患で、世界的な公衆衛生上の課題です[1]。
COPDが急性増悪すると、入院中や退院後の死亡率が高くなり、予後不良となるリスクが高くなります[2]。
そのため、COPD急性増悪の影響を軽減し、再発を予防することが治療の目標とされています[3]。
安定期のCOPD患者では包括的な呼吸リハビリテーション(PR)の有効性が示されていますが、急性増悪後早期のPRの有効性や安全性については明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「COPD急性増悪後早期(3日以内)のPRは有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。
研究概要
2021年に中国のZhangらの研究チームは、2021年4月までに登録されている14本の論文を解析しています。
対象
対象国:オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、ドイツ、中国、スペイン、トルコ
対象者数:829名(26~94名)
結果
効果あり | 効果不明 |
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※重篤な有害事象は1件のみであり、早期PRとは関連していなかった。
ただし、研究数が少なく、エビデンスレベルも低いため、更なる研究が必要と述べられています。
まとめ
COPD急性増悪後早期のPRは、一部の身体機能とQOLを改善させ、有害事象も少ないことから、有効な介入だと思います。
効果がある項目と効果がまだ不明な項目がありますので、そのことを考慮して介入する必要があると思います。
本日の語句
呼吸リハビリテーション
PR:pulmonary rehabilitation
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高齢者の運動アドヒアランスの影響因子に関するシステマティックレビュー。
正の予測因子は自己効力感とメンタルヘルスの自己評価が高いこと、負の予測因子は抑うつと運動施設との距離が離れていることだったそうです。
また、併存疾患や年齢は予測因子ではなかったそうです。https://t.co/11cukfVDux— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) May 5, 2022
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参考文献
[1] Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease. Global strategy for the diagnosis, management and prevention of chronic obstructive pulmonary disease (updated 2020).
https://goldcopd.org/gold-reports/.
[2] Hoogendoorn, et al. Eur Respir J. 2011 Mar;37(3):508-15.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20595157/
[3] Vogelmeier, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2017 Mar 1;195(5):557-582.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28128970/
[4] Zhang, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2021 Dec 24;16:3525-3538.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34992360/