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【高齢者】フレイルに対する運動療法!実は弾性バンドは〇〇に効果的?

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はじめに

 

フレイルは加齢に伴う様々な健康問題の原因と言われており、転倒、せん妄、機能障害、入院、死亡のリスク因子とされています[1]。
フレイルの予防、改善にはレジスタンストレーニングが有効と言われており、たんぱく質補給の有無に関わらず、筋肉量や筋力が向上することが報告されています[2]。
レジスタンストレーニングの方法としてはマシントレーニングが一般的ですが、地域での運動教室や自宅で手軽に準備できる器具として弾性バンドの有効性も検討されています。
しかし、フレイル高齢者に対する弾性バンドの有効性についてはまだ明らかになていませんでした。
今回紹介する論文は「フレイル高齢者に対する弾性バンド運動は効果があるの?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。

 

研究概要

 

2021年に台湾のSaragihらの研究チームは、2020年9月までに登録されている15本の論文を解析しています。

 

対象

 

対象国:日本、スペイン、韓国、中国、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、台湾、トルコ。
対象者数:1,294人。
介入内容:30~90分/回×週2~5回×8~24週間。
フォローアップ期間:4~52週。

 

結果

 

効果あり 効果不明
  • フレイル(24週時点)
  • うつ症状(12週時点、24週時点)

 

  • フレイル(12週時点)
  • 握力(12週時点、24週時点)
  • 下肢筋力(12週時点、24週時点)
  • ADL(24週時点)
  • QOL(24週時点)

ただし、今回含まれた研究の質はまだ低いため、更なる調査が必要と述べられています。

まとめ

 

弾性バンドはフレイルやうつ症状を改善する一方で、筋力やADLを改善するには十分な負荷を与えられていないのかもしれません。
ただ、精神面の改善は長期的に見れば様々な健康問題の予防にもつながると思いますので、資源が少ない環境下では弾性バンドは有効なのではないかと思います。

 

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参考文献

[1] Kojima, et al. Risk Manag Healthc Policy. 2019 Feb 14;12:23-30.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30858741/

[2] Kirwan, et al. Am J Clin Nutr. 2021 Oct 21;nqab355.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34673936/

[3] Saragih, etal. J Clin Nurs. 2022 Jan;31(1-2):43-61.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34289511/

 

この記事のライター
宇野勲先生