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新人,評価,実習 |2021.10.03|最終更新:2023.01.25|理学療法士が監修・執筆しています
学生の時に一番どうすればいいのか悩んだのが
問診(現在は医療面接とも言います)でした。
ROMやMMTは状態によって肢位の違いなどはあれども、ある程度測り方は決まっています。
しかし問診は人それぞれ全然違いますし、正解はありません。
また、スーパーバイザー(近年はCE:クリニカルエデュケーターと言います)に見られながら、
初めましての緊張感+学生という立場の中色々と質問しなければなりません。
どこまで聞いていいのかわからない中で質問するのって難しいと私も学生の時思っていました。
また、問診だけの時間をとる実習施設はほとんどありませんし、
リハビリテーション(以下、リハ)を行いながら情報も集めるって難しいことですよね…
「リハをするだけで精一杯!!会話なんて無理!!」って学生の時は思ってました(笑)。
そのため、今回は問診で最低限聞いておきたいことを紹介します。
主訴
これはみなさん一番に思いつくことかもしれませんね。
膝が痛い・肩が痛い等患者さんの訴えになります。
ただ膝が痛いで終わるのではなく、
いつ痛いのか?どうした時に痛いのか?どれぐらい痛いのか?等情報を集めていきましょう。
特に痛みについてはどうしたら痛くないのか?まで聴いてほしいです。
これを聴くことで、より何が原因でその痛みが起こっているのかを絞りこみやすくなります。
またその痛み等から何に困るのか?を聴けるとより良いですね。
患者のDemand
「主訴とDemandって違うの?」と思うかもしれませんが、厳密には少し違います。
Demandは簡単に言うと要望のことで、仕事に戻りたい・フットサルができるようになりたい等ですね。
ICFで言うと、活動・参加の部分です。
ゴール設定に大きく関わる部分になるので必ず聞いておきたいところです。
私としては趣味の話を聞いていると、結構出てくるイメージです。
THAの患者さんで、「茶道を毎週やるのが趣味なんです」とのことであれば、
茶道をやるなら正座が必要になりそう!じゃあその練習もしていこうといった感じですね。
趣味だと学生の立場からもまだ聴きやすい話になるのかなと思います。
ただ必ずDemandが叶う訳ではありません。
病態次第では多職種間での意見、家族の意見をもとにゴール設定を行う必要があるので注意しましょう。
社会的背景
少しプライベートな部分になるので学生からすると聞きづらい部分ではありますが、必要になる情報です。
例えば、その人が一人暮らしなのか?
一緒に住んでいる人がいて、必要な時に助けてくれるのか?
これらを知るだけでも変わります。
特に『家族構成』や『家の構造』、仕事をしているなら『職業』は聞いておきたいですね。
3階建てで、居住スペースが2階という人なら階段昇降の獲得。
仕事でしゃがみ動作があるという人なら、
膝関節の屈曲可動域や低位からの起立が可能な筋力が必要です。
THAだから、TKAだから、この筋トレや練習をするのは得策ではありません。
同じTHAでも○○さんは絶対階段が必要!
△△さんは仕事場への移動が自転車なのでそれの練習!
と一人一人にあったリハを行っていきましょう。
受傷前の状態
これは少し先ほどの社会的背景と繋がる部分もあります。
同じ疾患でも
・50代で仕事・家事も毎日して一人で買い物も行っていた人
・ずっと寝たきりだった90代の人
では目指すレベルが違います。
ずっと寝たきりだった人に、退院後は一人で外を走るようになりましょう!
とはならないですよね。
また、カルテに書いてあることがほとんどですが、
現病歴・既往歴も必要です。
左THAの方でも、既往歴に左脳梗塞があり、重度の右片麻痺が残存している場合では
訓練内容も工夫が必要ですし、
転んで受傷したのか、事故で受傷したのか、などの受傷機転はゴール考えていく上で必要です。
患者さんの受傷前の状態は、大事なPOINTなので聴取を忘れないようにしましょう。
現在の情報
これは、今のADLはどれぐらいなのか?食事や睡眠はとれているのか?等です。
実習が始まる前からその方が入院しているなら、入院当初からの経過も大切です。
もしすでに2か月入院していて、
ほとんど以前の状態と変わっていないのなら、大きく改善するのは難しいといったゴール設定の助けの一つにもなります。
また、家との環境の変化から食事や睡眠がとれていない方も結構いらっしゃいます。
食事も睡眠もとれていない方にガンガン筋トレするのはまた違います。
この部分はリハとしてはなかなか介入しにくい部分ではありますが、
寝る際のポジショニングでの介入や、炎症からの痛みならアイシングなど何かできることはあるかもしれません。
まとめ
今回は問診で必ず聞いておきたいことを紹介させていただきました。
もちろんこれ以外にもたくさん聴いてほしいことはありますが、
私は初めましての患者さんには、最低限今回書いたことは聴くようにしています。
ただ忘れてほしくないのは、
問診は『信頼関係を築く要因にも、失う要因にもなる』ということです。
質問ばかりされる会話なんか患者さんからしたら嫌です。
私自身もまだまだ練習中ですが、
何気ない会話の中で上手く情報を引き出せるのが一番だと思います。
他の人には言ってなかったけど、リハの先生にだけは話したなんてのはよく聞く話です。
情報を得ないと!!ばかりに目を向けず、
常に患者さんの立場に立って問診を行うようにしてみてください。
(この記事は理学療法士が執筆・監修しています。)
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— よーしょー@多汗症セラピスト (@yosyo0331) December 9, 2019
(この記事は理学療法士が監修・執筆しています)