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【心不全と理学療法】患者さんの身体活動量増加に有効な介入12項目

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心不全, 身体活動量|2020.04.14|最終更新:2022.04.14|理学療法士が監修・執筆しています

本記事の結論

  • 効果が認められた介入方法は多岐にわたるため、患者毎に個別的な選択が必要。
  • 他職種と比較して理学療法士は身体活動量のupに貢献ができる。

はじめに

心不全患者さんでは、増悪や入院、死亡などの有害事象のリスクを減らすために運動や服薬などのセルフケア行動の順守が重要ですが、運動に関しては50%以上の患者さんが不足していることが報告されています[1]。
運動ベースの心臓リハビリテーションは、死亡リスクなど有害事象を軽減し、QOLを高める効果が認められており[2]、身体活動量の増加の効果も認められています[3]。
しかし、心不全患者さんの身体活動量に対する運動ベースの心臓リハビリテーションの効果は限定的であることも報告されていました[3]。
そのため、心不全患者さんの身体活動量増加にための介入方法の検討が必要ですが、どのような介入が有効かについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「心不全患者さんの身体活動量増加に有効な介入方法は?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。

 

研究概要

 

2021年にイギリスのAmirovaらの研究チームは、2020年2月までに登録されている21本の論文を解析しています。

 

対象

 

対象者数:6277名(男性69.49%)。
平均年齢:54~80歳。
介入期間:1日~72週。
平均介入時間:1849.38分。

 

結果

 

介入内容

効果あり 効果不明
  • 介入全体
  • 運動と行動変容の組み合わせ
  • 行動を促す刺激・手がかり介入
  • 信頼できる情報源の紹介
  • 環境に運動器具など物品を追加する介入
  • 目標行動を日常生活に落とし込む介入
  • フィードバックなしの他者による行動のモニタリング
  • 行動の結果の自己モニタリング
  • 段階的な課題設定
  • 行動の練習・リハーサル
  • 行動計画策定
  • 目標設定
  • 動機づけ面接
  • 遠隔でのコミュニケーションと治療
  • 認知行動療法
  • 疾病管理
  • 自己管理

 

指導者

効果あり 効果不明
  • 理学療法士
  • 看護師
  • 運動指導者
  • 研究者
  • 心理士

ただし、単独介入で調査されている報告はまだ少ないため、さらなる研究が必要と述べられています。

まとめ

効果が認められた介入内容は多岐に渡っているため、患者さんに合わせて選択していくことが必要になってくるかもしれません。
また、理学療法士による介入のみ有効性が認められているため、心不全患者さんの身体活動量増加に対して理学療法士は積極的に関わる必要があると思います。

本記事の執筆・監修・編集者

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参考文献

[1] Jaarsma, et al. Patient Educ Couns. 2013 Jul;92(1):114-20.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23579040/

[2] Sagar, et al. Open Heart. 2015 Jan 28;2(1):e000163.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25685361/

[3] Dibben, et al. Heart. 2018 Sep;104(17):1394-1402.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29654095/

[4] Amirova, et al. Open Heart. 2021 Jun;8(1):e001687.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34108272/

 

この記事のライター
宇野勲先生