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【早期リハビリ】PCI術後の筋力訓練によって改善を認めた-3つの評価項目-

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はじめに

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は冠動脈疾患(CAD)に対する安全で効果的な非外科的治療法です[1]。
しかし、心臓ステントの留置は血管内皮細胞を傷つけ、血栓症を引き起こし、冠動脈に二次病変を発生させ、冠動脈再狭窄や心筋梗塞再発の危険性もあります[2]。
PCI後の運動は予後を改善する可能性が考えられていますが、以前行われた調査では、筋トレ単独の身体機能やQOLに対しての効果については明らかになっていませんでした[3]。
今回紹介する論文は「PCI後の筋トレは機能改善に有効なの?」という疑問に応えてくれる論文です[4]。

研究概要

2021年に中国のQiuらの研究チームは、2021年1月までに登録されている7本の論文を解析。

対象

対象者数:776人
平均年齢:45.3~75.5歳
介入期間:20日~8週間

結果

増加 減少
  • 左室駆出率(LVEF)
  • 6分間歩行距離
  • QOL
  • 最大運動負荷指数
  • 最大酸素摂取量(pVO2)

 

ただし、研究数が少なく、評価方法にバラつきがあるため、更なる調査が必要と述べられています。

まとめ

PCI後では、筋トレのみでも心機能や運動耐容能が改善する可能性が示されましたが、一方で他の運動耐容能の指標については減少していました。
心臓リハビリテーションにおける運動プログラムの多くは有酸素運動を基本としているものが多く、有酸素運動はその有効性が明らかになっています。
筋トレ単独ではなく、有酸素運動と組み合わせることで、より高い効果が望めるかもしれません。

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参考文献

[1] Throndson, et al. Can J Cardiovasc Nurs. 2009;19(2):17-24.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19517901/

[2] Xue, et al. Medicine (Baltimore). 2020 Sep 18;99(38):e22221.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32957360/

[3] Zhang. Et al. J Sports Sci Med. 2019 Jun 1;18(2):213-222.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31191090/

[4] Qiu, et al. Ann Palliat Med. 2021 Nov;10(11):11970-11979.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34872321/

 

この記事のライター
宇野勲先生