会員登録はこちら

まずは14日間無料体験
すべてのコンテンツが利用可能です

【転倒リスク】どんな二重課題(デュアルタスク)が脳卒中患者の歩行に影響する?

[no_toc]

脳卒中, 歩行, 二重課題|2022.03.11|最終更新日:2022.03.19|理学療法士が監修・執筆しています

 

はじめに

二重課題は日常生活で頻繁に生じていますが、二重課題を行っている最中にはパフォーマンスが低下すると言われています[1]。
二重課題は健常者でも歩行の安定性に影響を与えますが、脳卒中患者ではその影響がより大きくなります[2]。
しかし、どのような課題が脳卒中患者の歩行に影響を与えるかについては明らかになっていませんでした。
今回紹介する論文は「どのような二重課題が脳卒中患者の歩行に影響するの?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。

研究概要

2022年に香港のTsangらの研究チームは、2021年4月までに登録されている76本の論文を解析。

対象

年齢:49~77歳。
対象者数:脳卒中後遺症者2,425人、非脳卒中患者492人。
発症からの期間:72時間以内、6か月以内、6か月以降。

結果

歩行速度

低下 不明
  • メンタルトラッキング課題(減算課題)
  • 識別判断課題(分類課題)
  • 言語課題(自然会話、カテゴリー名づけ課題)
  • 手作業課題(コップ持ち、トレイ持ち)
  • 1バック課題
  • 聴覚ストループ課題

 

 

ケーデンス

減少 不明
  • メンタルトラッキング課題
  • 言語課題
  • 手作業(慢性期のみ)課題
  • 手作業課題(慢性期以外)

 

 

歩幅

減少 不明
  • メンタルトラッキング課題
  • 言語課題
  • 手作業課題

ただし、調査方法にバラつきがあり、各研究の質は高くないため、更なる調査が必要と述べられています。

まとめ

いずれの二重課題でも、脳卒中患者の歩行能力を低下させるようです。
ただ、脳の損傷部位でも影響の大きさは異なってくることが予想されるので、その患者さん、利用者さんに合わせて課題を選定する必要があると思います。

✅記事編集(てろろぐ)・監修(幸代表

✅記事執筆者(宇野先生)のTwitterはこちら↓↓

関連する記事

✅脳卒中に関連する記事はこちら

✅リハオンデマンドで人気の記事はこちら


あなたにおすすめの記事

 

参考文献

[1]Pashler, et al. Psychol Bull. 1994 Sep;116(2):220-44.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7972591/

[2] Deblock-Bellamy, et al. Front Neurol. 2020 Aug 18;11:882.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33013625/

[3]Tsang, et al. J Physiother. 2022 Jan;68(1):26-36.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34953757/

 

 

この記事のライター
宇野勲先生