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高齢者, サルコペニア, 筋力|2022.04.08|最終更新日:2022.04.08|理学療法士が監修・執筆しています
はじめに
サルコペニアは、骨格筋量と機能の進行性かつ全身的な減少を特徴とする老年症候群と言われています[1]。
サルコペニアの有病率は診断基準によってバラつきはありますが、地域在住高齢者では9.9%~40.4%と言われています[2]。
サルコペニアに関連する因子は多くのものが検討されていますが、相反する結果が出ている調査もあり、明確にはなっていませんでした。
今回紹介する論文は「地域在住高齢者のサルコペニアに関連する因子は?」という疑問に応えてくれる論文です[3]。
研究概要
2021年に中国のGaoらの研究チームは、2021年8月までに登録されている68本の論文を解析。
対象
調査国:アジア45件、南米14件、ヨーロッパ6件、北米1件。
対象者数:98502人(120~18363人)。
診断基準:EWGSOP28件、AWGS24件、SARC-F3件、低筋肉量のみ11件。
結果
社会人口学的要因
関連あり | 関連なし |
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生活習慣
関連あり | 関連なし |
|
|
疾患関連因子
関連あり | 関連なし |
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|
ただし、研究間で使用している診断基準、対象者数、研究の質にバラつきがあるため、さらなる研究が必要と述べられています。
まとめ
今回の結果は地域在住高齢者に限った内容ですが、予防領域に関わっている方々はサルコペニアの予防策を検討していく上で、知っておくべき知識かと思います。
ただ、サルコペニアはその原因によってメカニズムが異なるため、対策も異なります。
どの因子が当てはまるかを評価した上で、適切な介入方法を検討することが必要と思います。
本日の語句
サルコペニア:加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指します。
参考:・サルコペニア診療ガイドライン
・山田実先生のサルコペニアと介護予防に関する論文はこちら
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薬物療法だけでは治療が困難な抵抗性高血圧の患者さんでは、身体活動や運動プログラム、有酸素運動を追加することは血圧低下に有効な可能性があるそうです(メタ解析)。https://t.co/Icx4n1BRzG
— Isao Uno(宇野勲)@リハ栄養学会2023実行委員長 (@isao_reha_nutri) April 7, 2022
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参考文献
[1] Malafarina, et al. Maturitas. 2012 Feb;71(2):109-14.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22153348/
[2] Mayhew, et al. Age Ageing. 2019 Jan 1;48(1):48-56.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30052707/
[3] Gao, et al. Nutrients. 2021 Nov 27;13(12):4291.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34959843/