動作分析 ~臨床に活用したい~ 新人セラピスト成長記録(回復期)#03

(公開日:2020年10月12日)

前回は動作観察・動作分析での「評価」について執筆させて頂きました。しかし、動作分析にとどまらず、基本動作から生活動作に至るまでの多様な臨床応用に繋げていく必要があります。

新人Thとして臨床に出たばかりであり、「分からないことが分からない」ということに気付かされます。ここからは学んだことが多くなりますが、臨床で活用していく中で悩んだこと、気付けなかったことを含めて記載していきたいと思います。

臨床推論

私がよく耳にする言葉で「臨床推論」というものがあります。初めて聞いた時は私も分かりませんでした。調べてみると、臨床推論とは「対象者の訴えや症状から病態を推測し、仮設に基づき適切な検査法を選択して対象者に最も適した介入を決定していく心理的過程。臨床思考過程の呼称の1つ。」です。つまり仮説検証作業です。うーん、難しい(-_-;)。言葉を聞いてなんとなく理解はできました。しかし、具体的に説明してと言われたら「ええと...(焦)」となってしまいます。そこで「動作分析と臨床推論の流れ」を一通り教わりました。

動作分析と臨床推論の流れ

―理学療法における介入計画立案までの臨床問題解決過程-

①処方・医学的情報の確認

カルテ情報から、診断名・病態・病歴を把握し大まかな構造のイメージをする。
→学生の時の話...動作観察・分析で一度に全部を見ることは難しいので、最初はどこから見ればいいのだろうかと考えており、「先生なら最初どこから見ますか?」と質問していました。因みに当時の私は骨盤、股関節、←トレンデレンブルグ徴候をよく学ぶからですね(^^;)、膝関節、足関節など、とりあえず歩行動作中の関節運動から見ていました。現在は①の情報収集をとことんすることから始めています(①or②の内容になりますが、現状だけではなく、過去の情報も重要です。既往歴のみではなく、入院前ADLも把握する必要があります。)。情報収集はリハの効率化も図ることが出来ると思います(トップダウンetc…)。情報収集、本当に重要ですね。

②医療面接

医療面接に基づいて、社会的背景・ニーズ・主訴などを把握し、対象者に必要な動作の実用性を予測する。

↓ ここからが臨床推論の中で動作分析が関わること ↓

③動作分析・動作解析

動作分析・動作解析によって、動作の安定性・協調性・持久性・速度性・応用性などの実用性を分析する。

④運動分析・運動解析

動作を構成している要素的運動を分析・解析する。

⑤機能・構造障害の推論(一次仮説)

動作障害や要素的運動の障害の原因と考えられる機能・構造障害との関連性に関する一次仮説を推論し、心身機能・身体構造に関する評価計画を立案する。

⑥機能・構造分析、解析

観察・検査・測定により心身機能・身体構造の障害特性を分析・解析する。

↑ ここまで(必要に応じて③~⑥の仮説検証作業を反復する) ↑

⑦障害構造分析(二次仮説)

機能・構造分析の結果に基づいて、一次仮説の妥当性を再検討、必要に応じて一次仮説を補正し、障害特性の階層構造に関する全体像として二次仮説を設定する。

⑧目標設定

病態特性・障害特性・年齢・ニーズなどに基づいて短期・長期目標を設定する。

⑨介入計画の立案

設定された目標に基づいて、治療計画・評価計画・指導計画・リスク管理計画・情報伝達計画を立案する。

臨床場面では

実際に動作分析と臨床推論を実施していく中でリハ室のプラットホームで寝返りや起き上がり、座位姿勢を見た時と居室ベッドで同じ動作を見た時では運動パターンが違う場合があります。私は「今日は上手く寝返りが出来た」、「今日は座位姿勢を保てているな」と考えていましたが、動作は環境因子に影響されやすいと学びました。この時から臨床推論は日々変わるかもしれないと思うようになりました。例えば、前述した環境因子、食前と食後、認知的側面、患者様のhopeや価値観など、患者様の個人的背景や周辺の環境は日々大きく変わっていきます。また、私が働いている病院では環境因子に「セラピスト」も含まれています。臨床においてもセラピストによって患者様のコミュニケーションの取り方、受け止め方、運動意欲は変わると感じました。もちろん、発揮する運動能力も変わります。これらのことからワンパターンで考えず、動作分析からの臨床推論は随時アップデートされるべきだと思いました。


この記事のライター:後藤祐貴先生

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